チャイナタウン探しでクタクタになった私たちは、パリで最も美しい公園のひとつと言われるリュクサンブール公園へたどりついた。
今は公園となっているが、ここはもともと イタリアからフランス王室に嫁いできたメリー・ド・メデイシスが故郷を懐かしんで フィレンツェのメディチ家の城を模して建てさせたリュクサンブール宮の庭園なのである。 その幾何学的な庭園には、すごくたくさんのスチールの椅子が置いてあり、すごくたくさんの人が、グループで、ひとりで、カップルで、日光浴やおしゃべりを楽しんだり、お昼ご飯を食べたりしている。 私たちも 日陰で冷え切ってビチョビチョになっていたスチールの椅子を日向にズルズル引出し、公園の外で買ってきた飲み物とサンドイッチで のんびりお昼。 パリには あちこちにテイクアウトのサンドイッチやクレープなどのお店があるが、細めで短めのフランスパン1本に各種の具をはさんだサンドイッチは それでもやっぱり大きめである。夫は食べきるが、私は食べきれない、という大きさである。・・・ほんとは写真を載せたいところなのだが、チャイナタウン探しの疲れで・・・写真撮るのをすっかり忘れていた・・・。とっても美味しいが、これを毎日食べていたら 顎が強くなること間違いなし、である。 たくさんの人々がスチールの椅子でくつろいでいたフランス式庭園を抜けて、木々が立ち並ぶ林を行くと人形劇専門の小さな劇場がある。 リュクサンブール公園を出て、徒歩で世界最古の高級デパート(1852年創業)、ル・ボン・マルシェへ。ガイドブックに「清潔な無料トイレもあって利用しやすいので覚えておくといい」と書いてあったので、リュクサンブール公園の有料トイレを使わなかった私たちは さっそくトイレを探すのだが・・・、これがなかなか見つけられない。トイレの表示がないので どこにあるかわからないのである・・・。チャイナタウン探しで十二分に疲れ果てていたので、数階分を移動しながら探すうちに またしても険悪なムードになりはじめる・・・。 結局は、壁際の細い隙間のような所から唐突に出てきた人を見つけ、恐る恐るそこに入ると・・・トイレがあった。パリのデパートのトイレは 目立たないようにしてあるのだろうか。日本のデパートやショッピングセンターなどでは トイレの案内板があちこちにあって とっても親切だったんだ、ということに改めて気づかされたのである。日本のトイレ様さま、である・・・。 疲れがピークに達したまま ル・ボン・マルシェのすぐ隣の奇跡のメダイ教会へ行く。私が今回のパリ旅行で絶対に行きたかった教会である。・・・なのに・・・あまりに疲れていて・・・写真を・・・撮るのをまたしても忘れてしまったのであった・・・。 こんなところに、と思うくらい、細い小道を少し入ったところに ひっそりと建つ教会なのだが、聖母マリア様が現れたことで有名である。1830年にマリア様が2度目に現れた時のお告げどおりに作られた「メダイ」は、病気が治ったということで「不思議のメダイ」、「奇跡のメダイ」と呼ばれるようになり、配り始めた3年後の1835年には、ヨーロッパ中に150万枚も広まったそうである。・・・写真を撮るのは忘れたけど、メダイはちゃんと買った。・・・でも、春に姉が行った折には「いろんな色や大きさのメダイがた~くさんあった!」そうだが、今回は銀色のと金色のと青いのが、少しずつしかなく、だから、欲張っていっぱい買うのは申し訳なくて、銀色の10個入りをひとつだけありがたく買った。正確な金額を忘れてしまったが、確か2ユーロしなかったと思う。 表にはマリア様、裏には十字架とM、ふたつの心臓、左がいばらの冠をつけたイエス様の心臓、右は剣につらぬかれたマリア様の心臓、なんだそうである。 メダイを買えたこともうれしかったけど、売店の方の静かであたたかい笑顔が心に残っている。 旅の大きな目的を果たせたので チャイナタウン探しから引きずっていた疲労感も解消。元気に徒歩でサン・ジェルマン・デ・プレ教会へ。 サン・ジェルマン・デ・プレ教会を見学した後はカフェで休憩。この界隈にはとても有名なカフェがいくつかあるのだが、その有名なカフェとサン・ジェルマン・デ・プレ教会とを見ることができるカフェに入った。夫はクレームブリュレ、私は紅茶。 ・・・ここで私は、ここのカフェのトイレ番のおばさんに・・・、してやられたのである・・・。 カフェのトイレは、地下にあることが多く、私たちが入ったカフェも、たしか 一番最初の1軒を除いて、みんな地下にトイレがあった。で、無料の場合もあるし、有料の場合もある。で、ここのカフェは有料だった。 まず地下に降りていくと、受付みたいなカウンターにおばさん、私が奥のFEMMES(女性はFEMMESかDAMESだってことだけは覚えていった!)のドアの方へ行こうとしたら、すぐそばのドアを指さして「ここ入って」みたいに言う。だから、笑顔で「メルシー」と言ってドアを開けようとしたら 押すのか引くのかわからなくて、そしたら、おばさんが親切に「こうするのよ」とジェスチャー。なので、笑顔でそこに入った。ら、ほどなくして、ドアを開けようとする音、でも、鍵かけてたから大丈夫! 無事に外に出たら、横のトイレから出てきたおじさんが「あんた、そこは男用だよ! はっはっはっ!」っと・・・いうようなことを たぶんフランス語で言って笑ったのである・・・。無表情にすましてるおばさん、でも、目の奥が笑っていたよ。そして、すました顔して、トレイを指さして使用料を要求。私は2ユーロ硬貨しかもっていなかったので、負けじと 細かいのに崩すよう要求。おばさん、最初1ユーロ2枚にしかけたけど、私笑顔で違う、と合図。おばさん、ゆっくりと0.5ユーロを3枚出して こっちをチラッと見る。だから、もう1枚と合図して、ちゃんと4枚受け取ってから、改めて1枚トレイに入れたのである。・・・この勝負・・・いったいどっちが勝ったのか??などと ちょっと面白くもあり、旅のいい思い出になったのである。・・・おばさんのことは・・・忘れないよっ! ちなみに有料トイレの場合、他の2か所は0.4ユーロだったと記憶しているが、このいたずらおばさんのトイレは かなりきれいな方だったので 0.5ユーロでもよしとしよう。 カフェを出たら、タクシーでエッフェル塔に向かった。いよいよ 私がパリで一番行きたかったエッフェル塔の足元に行くのである! パリの主要道路は石畳、なので、バスでもタクシーでも乗り心地が悪い。ガガガガガガッの連続であり、かつ、所々にある広場を抜ける時、放射状に広がる何本かの道へ、ある車は左折、また ある車は右折、そして 直進する車もあり、それなのに、広場状になっている交差点には車線のラインが全くない。目印もなく、見えない「車線」を どの車が どの方向に行こうとしているのか、タクシーの後ろに乗って 見ているだけで 手に汗握るのであった。いや~、この時の運転手さん、うまかったけど、まるでレーサー、みたいだったよ・・。 そして、ガガガガガッの連続で ヨロヨロになって車を降りると・・・、 遠くから見ても素敵だけれど、近くで見上げたら 感動で心が震えた。ほんとに素晴らしい。 この間は朝日に輝いていた トロカルデ広場から見たエッフェル塔。夕暮れの中に 静かに静かに立っている。 帰りは 振り返り振り返りながら 頑張って歩いた。そしたら、頑張って歩いた甲斐あって、ライトアップされたエッフェル塔を見ることが出来た。 エッフェル塔までの移動にタクシー使ったにも関わらず、23217歩。長くて そして 充実した1日だった。 お風呂にゆっくり浸かって 「エッフェル塔は素晴らしかった!」と何度も繰り返しつつ 9時には寝てしまった。 この日の 夫の反省の弁。 「ガイドブックを読み込みすぎた者が陥る失敗、というのもある・・・。失敗の多くは、3回目に読んだ時に見つけた情報、である・・・。それから、せっかく来たんだから、と 欲張ってしまう貧乏性の癖が出てしまっているのも 余裕をなくしている原因である・・・。」 それに関しての 私の感想。 「だって貧乏なんだから しょうがないじゃん。それに・・・せっかく来たんだし。」 はっ!・・・貧乏性の根源は・・・私か・・・? (つづく・・・)
by hatake-garden
| 2011-12-11 21:58
| 旅先のこと
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