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祈りの町、パリ・・・(パリ旅行2日目-2)

私がバスに酔って途中下車しなければ、夫はこの日の後半はクリニャンクールの蚤の市に行くつもりだったらしいが、ヴァンヴの蚤の市でもう十分、ということになり、行き当たりばったりのままセーヌ川沿いを歩き シテ島を目指すことにした。
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シテ島を挟んだセーヌの両河岸には、セーヌの風物詩となっている古本市が出ていて、古本や絵葉書、ポスター、お土産などが並んでいる。
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その中で 一番イケメンのお兄さんから絵葉書を買い、シテ島へ。

お昼はカフェで、夫はWエスプレッソとパテサンド、私は紅茶とクロワッサン。・・・バスに酔ったからね・・・、あんまり食べられないのね・・・。
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パテサンドはかなりな大きさだったのに、紅茶と同じ値段・・・。なるほど・・・。

シテ島には花市があるのだが、日曜日のこの日は 花市のかわりに小鳥市が開かれていて、いろいろな小鳥、ハムスター、ねずみ、うさぎ、フェレットなどのかわいい小動物や、小鳥のエサのアワやヒエ、鳥かご、藁で編んだ小鳥の巣、などなどが売っている。小規模な市だが、動物好きの私には楽しい市であった。・・・楽しすぎて・・・写真撮るのを忘れてしまったほどである・・・。とほほ。

かわいい小鳥やねずみたちに後ろ髪をひかれつつ、シテ島を行くと・・・いきなりノートルダム寺院が現れ、「こ、これは、もしや、あの、ノートルダム寺院!?」と心から感動する。・・・7冊のガイドブックを3回ずつ読んだ夫にはわかりきった展開なのだが、1冊のガイドブックをパラパラっとしか見ていない私には 驚きの展開なのである・・・。
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クリスマスツリーが立てられた美しいノートルダム寺院。ガイドブックを読みすぎた夫は「ノートルダム寺院は本で見すぎて 来るつもりにしてなかった」と恐ろしいことを告白してきたが、やっぱり本物は素晴らしい。
日曜日で内覧も無料とのことで、信者ではないけれど、厳粛な気持ちで中に入らせていただいたのだが・・・、
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あまりにも大きく 神秘的で厳かな空気に満ち溢れた聖堂内に身を置くと、信者でなくとも 自然と頭を垂れ 祈らずにはいられなかった。
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1163年に起工され、1320年ごろ完成したこの大聖堂で たくさんの人間が長い長い間 祈りをささげてきたのである。今年50歳になった私にも、人生の中で わからないことや 悩みや 迷いもあるわけで、ここ数か月は仏教の本やら読んだりして いろいろ思いを巡らせているのだが、パリに来て、このノートルダム寺院をはじめとする いろいろな寺院や 多くの宗教画を見る機会を得て思ったのは、大昔から人間はずっと悩みながら生きてきたんだ、ということである。たくさん悩み 考えて、これだけのものを作り上げて、それでも ずっと考え 祈り続けているんだ。だから、結局 知りたい答えは見つからないんだな。それでいいんだな。それしかないんだな。
そんなことを 今回の旅の間中 静かに感じていた。

マロンのクレープを食べ歩きしながらノートルダム寺院の外を歩いていくと、裏側に小さな公園があった。その公園の方から見る姿も また違って 素晴らしい。
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ここには 公衆便所があり、長蛇の列である。ベンチに座って 休んでいると、木々にはシジュウカラのような鳥たちが、あちこちで何やらついばんでいる。毛並みがよくて丸々太ったシジュウカラに交じって、ハゲちょろの小さなのも一生懸命ついばんでいる。ハゲちょろでも とても元気に 今を精一杯生きている。
いろんな鳥がいるように、パリにはいろんな生き方をしている人がいて、街角で楽器を弾いたり 芸を披露する人、ただただ物乞いをする人、おみやげ品を売る人、力づくで売りつけようとする人、旅行者を騙そうとする人、私の日常では見かけないような生き方をしている人が多かった。走るメトロの中でアコーデオンを弾いて お金を集める親子は微笑ましかったが、空き缶を目の前に置いて 冷たい石畳の上でひたすら土下座をし続ける小さな男の子には 何とも言えない気持ちになった。でも とにかく みんな 自分の人生を生きているんだ。
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シテ島を後にして、シャトレ駅からメトロ1番に乗って ジョルジュサンク駅へ。
シャンゼリゼ通りを少し行くと、有名な凱旋門である。
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あまりにも有名で、まるではじめてではないような気さえしてくる凱旋門、その上をよくよく見ると、
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人がいっぱいいた。でも、この日は もう遅かったので、昇るのはあきらめて、フードドラッグストアで夕食を買って 徒歩でアパートメントへ。
夕暮れの道を 速足の夫の背中を追いかけてひたすら歩く。・・・歩く。・・・歩く。10分以上も 一度もふりかえらない夫・・・、私が途中でいなくなっても 当分気が付かないんじゃん、っと思いつつ、ヘロヘロになりながらも ついていく。迷子になるから、ついていくしかないのである・・・。
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夕飯は、買ってきたばかりの魚のグリルをレンジで温め、サラダとバゲット、グレープフルーツを小さくしたようなフルーツ、チーズに発酵バター。夫はワインで上機嫌。
19305歩も歩いてクタクタになった私は、ノートルダム寺院の厳粛な空気を思い起こしながら、長々とお風呂につかり、8時半には寝てしまった。
(つづく・・・)
by hatake-garden | 2011-12-04 13:38 | 旅先のこと
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