先日、姉を見送りに門の所まで出て、そこで立ち話をしていたら、
「あらっ! ほら、そこにカマキリの卵があるわよ。」っと姉が言う。 見ると、驚いた事に去年と全く同じ場所に新しいカマキリの卵が産みつけられていた。今年のは 下半分がむき出しだった去年のとはちがって、ちゃんと下までカサカサの防寒着で覆われている。 「いや〜、いつのまに! うれしいなぁ! また 来年の春、子カマキリに会えるんだ!」 建て込んだ住宅地の中の 小さな我が家に 毎年生まれ出るカマキリの子ども達。よそに行くものもあるだろうが、多くのものがここにずっと留まって だんだん大きくなっていき、その成長ぶりを見せてくれる。 生まれたばかりの頃の子カマキリは、ちょっと透き通ったような茶色っぽい色をしていて、とても小さく 羽もない。生まれた場所から離れずに、人口密度も高いだろうに そこでワラワラと生活している。 それが、少し大きくなると だんだん行動範囲を広げる。横に広げるものも多いが、縦に広げて 2階のベランダに暮らすものも出てくる。でも、そんなに高いところに住んでも、やっぱり羽はまだない。 そして その頃を過ぎると、めったに出会わなくなるのである。そこに至るまでの間に多くが命を落としてしまい、数が減っているということもあるが、簡単に人に見つからないワザを身につけたものだけが生き残っていけるんだろう。 そんなカマキリたちに、再び、嫌というほど出会うようになるのは 秋のはじめである。元気な姿で出会うことも多いが、道路でつぶれて死んでいる姿で出会うことがとても多い。大人になって結婚相手を求めて 住み慣れた場所から遠くへ行こうとするのだろうか。いつの間にか大きな羽を背中につけて、それを使ってバサバサバサっと不器用に飛び、落ちた所からは徒歩で移動する。そんな姿を何度も見かける。そして、落ちた所が道路だと、それで車にひかれてしまうのである。 今年の我が家の卵は、去年この場所で生まれた子カマキリの産んだものであろうか。もしそうなら、サケやツバメのように生まれた場所にもどってきたのだろうか。それとも ここから一度も外へ出なかったのだろうか。 本当のことはわからないが、去年と全く同じ場所に産みつけられたカマキリの卵の不思議さにふるえ、生命の営みの神秘を感じてしまうのである。
by hatake-garden
| 2006-12-19 11:32
| 畑のお客さま
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